BADエンド気味の終わり方をするルートが多いので鬱ゲー苦手な人は注意。
鬱ゲーってほど酷くはないけれども。
TRUEルートはもちろんのこと、個別ルートも泣ける。
あと、評価が賛否両論あるのは鬱ゲーだからではなく終盤の手抜き部分というかイマイチな部分がいかに見過ごせるかだと思われます。
とりあえず順を追って書いていく。
ルート構成
最初にプロローグがある。
1週目は桜BADルート固定。
2週目で綾か夜ルートに行けるようになる。
夜ルート後にシロクマルートが、綾ルート後に希ルート開放。
シロクマルートの後に一人飯、希ルートのあとに恵と直子。両方ルートというよりはおまけSSレベルのルート。
あとはチャプター0という、誰とも結ばれなかった場合のBADがあるがどのタイミングでアンロックか自分は知らないのでノーコメント。
綾、夜、シロクマ、希の全てのルートをクリアすると桜トゥルールートがタイトルに出現。
トゥルールートの途中で綾BADENDに分岐。
という流れになっているらしい。
よって推奨プレイ順は
桜BAD→綾→夜→シロクマ→希→ネタ→綾BAD→桜トゥルー
となると思う。
個人的には、夜→綾→シロクマ→希→桜TRUE→綾BAD→ネタルート
の順番でプレイしたけど。
シナリオ
凄く良かった。
が、説明不足、描写不足な点も多く、トゥルールートの終盤が駆け足すぎるなど欠点も多いです。
また、終わり方がBADエンドに近いルートも多く、人を選ぶ作品かなと思います。
また、トゥルーエンドがある作品にしては個別ルートもわりとしっかりしていたかなと思います。
シロクマルート以外。
テキストは全体を通して凄く面白い。
主人公にかなり癖がありますが、個人的には気になりませんでした。
とりあえず順を追って書いていく
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桜BADルート
桜BADって書いてるけど実質ラン√みたいな物ですね。
主人公が割り切れずにだらだらと進んだ結果といいますか、、、
一応ランのHシーン(?)が1回あります。
主人公が桜を無視するシーンの桜がかわいすぎる。そして読んでいて辛かった。
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綾ルート
主人公がランと別れてからプロローグまでの空白の時間のお話
主人公が綾に対してなにかぎこちない理由が語られる。
正直この展開は予想していなかったので驚いた。
マカロンの件とか、なるほどそういう事情があったのかと。
このルートをクリア後に、共通ルートやプロローグの主人公と綾の会話などを読むと、主人公の綾への思いとかの一端が垣間見れてとても切ない気分になる。
こういった展開になって、最後に元に戻ってハッピーエンドっていう展開はありがちだけど、戻らずにそのままストーリーが進行していく展開は正直凄く珍しいんじゃないでしょうか。
ルートとしての出来はともかく、その後の展開や共通ルートとの絡みなどから、トゥルーの次に重要なルートである事は間違いありません。
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夜ルート
だばだー。
ナイトメアちゃんのシーンないのかよ!くそっ!なんでや!
桜を迎えるための準備(反魂香)に巻き込まれてしまった不運な人の話。
中盤までは幸せな日常生活のシーンが多く、それ故にルート終盤の切ない話の部分が胸に来るといいますか。。
夜は凄く良いキャラ。桐谷華さんの演技も凄くマッチしていて良かった。
問題を放置しっぱなしにしてる辺りに若干不安を感じていたのですが、案の定でしたね。
半分BADではあるものの、後味はそこまで悪くなく、切ない感じがしていいルートだったと思います。
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希ルート
泣いた。
思えば一番ハッピーなエンディングだったのかもしれないね。
卒業という舞台が一番活きていたルートだったと思う。
のぞむんの破壊力は絶大。
読み終わってから凄くほっこりした。
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シロクマルート
不遇。
メインヒロインの中でシロクマだけ扱いが酷すぎる。
シナリオ的にも、サブキャラクターでも何も問題ないだろう上に、個別ルートに至っては・・・
ただ、〆方はなかなか良かったかと思う。
卒業してもずっと初雪の事を思い続けるシロクマが健気で凄く切ないルートだった。
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Graduation(桜トゥルー)ルート
とにかく泣けた。G線とか車輪とかもやってきたけど、こんなに泣いた作品は初めて
初雪から桜まで、卒業おめでとう―
すべてクリアした後ならこの言葉に込められた思いがわかる。
ゴーストチャイルド(笑)やら、バニッシュ(失笑)やら、いろいろ不満な面もあったが、エンディングが最高だった。
EDテーマとEDムービーの演出は反則。
自分は涙腺がかなり弱いので、EDの間中泣きっぱなしでした。涙で画面が見れない。
そしてなにより、桜がかわいい。
物凄くかわいい。
まさに、これぞ"
メインヒロイン"といった感じ。
中盤のいちゃいちゃシーンの破壊力にはかなりやられました。
最後に明かされる、作中での"バニー"乱発や過剰なスキンシップを取ってくる理由。
桜が健気過ぎて泣けます。あれはずるい。
本当なら初雪と桜には幸せになってもらいたかったなぁ。
そこが心残り。
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その他。
一人飯エンドとかのおまけルート。
一人飯ルートとサブヒロインの分はおまけショートストーリーレベル。
でも一人飯エンドはそれなりに面白かった。
チャプター0は一応物語上意味のあるものなので見ておくといいかも。
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まとめ
テキストが基本的に面白いので、テンポよく読めました。
シナリオは一部抜け落ちていると感じられる部分もあったり、トゥルーの後半は駆け足で進んでしまうのもあり完璧とは言えないのですが、しかしながら全体的な流れはかなり良かったです。
一部不評な部分、バニッシュだ!やばぁ!の辺りのご都合主義というか手抜きっぷりはたしかに少し気になりましたが、まあ何も見なかったということで・・・。
でもたしかにサクヤのバニッシュはだいぶ棒読みかもしれない。

桜と希がほんたにかなえさん、綾とシロクマがとらのすけさん、夜がちまろさん、他サブ原画が有末つかさと小桜りょうさんの複数原画。
プレイしていてそこまで違和感を感じるようなこともなかったし複数原画に関する不満はない。
キャラは全員かわいかった。作画が結構な割合で安定しないような気もするけど、気になって仕方ないほどではない。
イベントCGは、ところどころ使い方がイマイチな部分も見受けられる。
イベントCGを使うほどではない部分ではカットインを使うというのは良かったと思う。

音楽面は最高だった。まず、驚きのボーカル6曲体制。
だばだーでお馴染みfreak of nature : startを含めれば、ですが。
OPテーマのHesitationSnowと、グランドEDのGhost×Graduationが物凄く良かった。
特にEDテーマのGhost×Graduationはシナリオとの相乗効果で聞くだけで涙が出てくる。
メリーゴーランドをぶっ壊せは好きだけど、歌詞がイマイチかもしれない。
BGMは、ここぞ!という場面で話を盛り上げることにうまく貢献していて良かった。
曲のクオリティはもちろんのこと、使い方がもの凄くうまい。
何度も繰り返すが、EDの演出。あれは本当に、今までやってきたエロゲの中で最高のEDだったと断言できる。
サントラが出たら絶対買う。買った。

システム
必要最低限。
オプションの項目はかなり少ない。
既読スキップ(OFF固定)など必要な項目もなかったりする。
キャラ別音量設定とかよりまず先にすることがあるだろうと。
そして何故か"前の選択肢に戻る"機能がある。なにこれいらない。
もちろんバックログからのシーンジャンプも不可。立ち絵鑑賞、背景鑑賞などもナシ。
EXTRAは回想、CG、音楽の3つだが音楽はイマイチ使いにくい。
右クリックはメニュー画面が開くので、右クリックでウィンドウ除去に慣れた自分としては不便だった。
演出に関しては、ムービーを使った演出が凄く映えている。
ムービーや曲の使い方が凄くうまいなと感じた。
演出点もSystemの項目に入れているので演出点で20点プラス。
システム単体なら時代遅れ。一応画面はワイド(1280×720)
そのほか。
最初は、"絵が好み"程度に思っていた作品でしたが、ドラクリとのコラボをきっかけに体験版をやってみてその日のうちに予約しに行きました。
おおむね体験版で想像していた通りかなりの良作だったので満足です。
賛否わかれる部分もあるので、絶対買うしかない!とは言えないかもしれないですが、体験版をやって興味を持ったら買うべき。
いくつか不満はあるものの、かなり面白く、切ないストーリーで楽しんで読めました。
とくに読み終わった後の余韻は凄いです。
名作といっても問題ないと思います。
個人的には、2012年で最高の作品。