お嬢様はご機嫌ナナメ 感想。
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お嬢様はご機嫌ナナメ | |
ensemble 2013/5/24 | ||
いつでも貴女はナナメ上!? | ||
原画 | 武藤此史、鳥取砂丘(SD) | |
シナリオ | 籐太・保住圭 | |
MUSIC | ミリオンバンブー |
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プラス ポイント |
長め | |||||||
マイナス ポイント |
一部ヒロイン不快 一部個別短め ルートによる出来の差が大きい | ||||||||
Story | 80 | ![]() |
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シナリオ | 80 | テキスト | 85 | 世界観 | 75 | ボリューム | 80 | ||
Graphic | 85 | ![]() |
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立ち絵 | 85 | イベントCG | 80 | 背景 | 80 | 塗り | 85 | ||
Sound | 75 | ![]() |
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ボーカル曲 | 85 | BGM | 75 | 声 | 85 | 曲演出 | 70 | ||
System | 80 | ![]() |
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機能 | 85 | 演出 | 70 | 設定項目 | 85 | UI | 85 | ||
Other | 85 | ![]() |
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キャラクター | 80 | Hシーン | 85 | ゲーム性 | - | 個人的補正 | 85 |
あくまで個人的な感想です。また、点数は公開後も若干上下することがあります。
"レビュー"などという大それた物ではなく、あくまで感想という事でひとつ。
点数は主観によるものです。
アップロード後数週間は書いてある内容が変動する事があります。
以下追記から本文。
ネタバレが含まれます。
お嬢様はご機嫌ナナメ、感想です。
まあ、面白かったですよ。
メーカーがいろいろやらかしてるensembleということでしたが、まあシナリオライターは安定の方々なので。
2部構成ということで、2部ではもう少しいちゃラブが多い事に期待していたのですが、シリアスの方が多めでしたね。
もう少しいちゃいちゃのほうも頑張ってくれれば良かったかも。
あとルート間の差がなかなかに大きい。
花、七波ルートはかなりシリアス重視で動いていきますが、音羽、透夏のアイドル2人のルートでは何も無かったかのように1章の中盤で分岐、序盤で手に入れた8億も気がつけば無かった事になって、本編の経済戦争は一切関係が無いシナリオが展開されます。
詩綾ルートに至っては、詩音坊ちゃんの成長を挟みながらではあるものの、基本ギャグメインで進行するという。
まあいつも通り順番に。

・ルート構成
言葉で書くのが面倒になったから図を乗っけときます。たしかこんな感じだったと思う

ということで上から順に。
七波ルート(第一部・第二部)
メインヒロイン。
第一部、第二部ともにシナリオ重視。
第一部は体験版でもあったような、主人公と鶴美の経済的な争いを軸として進みます。
自分はこういった経済的な事情には詳しくないので、もし間違った部分なんかがあったとしても気にならないですし(実際気になった部分はほとんどなく)楽しめました。
お金を主軸に置いた展開ということでかなり説明くさい文章も多かったものの、テキストが読みやすいこともあって、それなりにスラスラ読み進めることが出来たのは良かったかなと思う。
すまいるクラスに飛ばされた後の株の売買ゲームの展開も熱くてラスト以外は良かった。
安直にショウエイと手を組んで戦うのではなく、あくまで"すまいるクラス"を中心として立ち向かうというのは良かったんじゃないか。
ただラストがなぁ・・・結局七波お嬢様最強で終わりっていうのが少し残念。
七波ルートはアフターも出るそうなので、そちらのほうにも期待したいですね。
あと、七波お嬢様かわいい。桐谷華さん渾身の演技。
花ルート
個人的には一番好き。
主人公の親の話や絵の秘密とか、作中の複線が一番明らかになるし。
このルートをやってからだと個人的には鶴美は恨めないかな・・・。
まあもちろん、やりすぎなのは間違いないし、どうみてもやっている事は間違っているんだけど。
でも、鶴美の性格が歪んでしまった理由もきちんと明かされていましたし、確かにあれはまあ仕方ない・・・のかなぁとも。
いずれにせよ鶴美は七波ルートでも花ルートでもとても良い悪役だったと思います。
詩綾ルート
上の二つがシリアスだったので、このルートも真面目路線かと思いきや、これはギャグルートだ!
いやあ、凄く笑いました。
まさか詩綾があそこまで腐っているとは思いませんでしたし。
そういう意味ではまあ一番「貴女はナナメ上」な感じだったかなと思います。
詩綾お嬢様とくっつくというのは、まあおそらく鶴美の思惑通りということなので、鶴見は邪魔してこないだろうことはまあ安易に予想がつきますが、だからってここまでネタに走るというのもめずらしい。
一応、詩音坊ちゃんを改心させるというくだりは、このルートのまあ一応軸である詩綾の性癖の話ともうまく絡めてあってよかったのではないかと思います。
でも絶対将来的には詩音にバレるよね。
音羽ルート
…
本編とノリが違いすぎる…
これが複数ライターの弊害なのか…
本編にあったシリアス分は元が隠し持った(確か)8億円と共に何処かへ消えてしまいます。
うーん、でもやっぱり本編と比べてしまうと、一段落ちますかね…。
せっかく本編はあれだけお金の話に絡めてきているので、音羽がアイドルを目指して頑張っている時に、主人公は七星プロダクションの妨害をかわしつつ資金の工面やらのサポートをする、みたいなシナリオの方が作品の雰囲気に合ってて良かったんじゃないかと思います。
正直ネットで話題になったところで、表のプロダクションが絡んでうまくやらない限りたかがしれてると思うんですよね。
しかしながら、本編であれだけうっとうしくて仕方がなかった音羽を、一応ヒロインとして見られる程度まで持って行ったライターさんはとてもよく頑張ったと言えるでしょう。
腹パンしたいアイドル…?うっ…頭が…
透夏ルート
何 故 ア イ ド ル に し た し
アイドルルートでやる意味あったんですかね…?
まあ確かに、女の子っぽく見られたいという透夏の気持ちとは一致しますが。
でもやはりこちらのルートも、本編との落差というか違和感が大きい。
ただまあ、キャラは可愛く書かれていましたし、本編とのギャップを考慮しなければアイドルルートも悪くなかったとは思います。

絵は武藤此史さん。SD原画が鳥取砂丘さん。
原画はとても良かったと思う。
作画も安定していたし(元々武藤さんはかなり安定している絵師さんだけれど)不満点は特にないですかね。
どのキャラも可愛かったです。
SD原画のほうは、公式サイトでも公開されている七波お嬢様のお腹をすかせたSD絵は多分目の比率がおかしいせいだと思いますがイマイチな感じですが、他はどれも可愛くてよかったです。
個人的には、大量のパンの耳を前にして絶望している七波のSD絵が凄く可愛いかったですかね。
なんかあれは印象に残っています。
あとは音羽が後ろから抱き着いているCGの元の表情とか。
背景に関しては並か中の上くらい?

BGMは普通か少し良いかも程度。
特に印象に残らなかったんですよね。悪くはないんですが。
ただ、シリアスパートで流れる曲はなかなか良かったと思う。
一応アイドルルート向けのボーカル曲が一曲あるが、個人的には特に好きというわけでもない。
ただしOP曲、ED曲はわりと好き。特にOPのア・オ・ゾ・ラ☆ふぁいてぃんぐはノリも良いですし。

意外と良かった。
特に期待はしていなかったのだけれど、かなり頑張っていたと思う。
バックログからのジャンプやマウスジェスチャ等、機能も豊富ですし、UIも快適。
そっち方面でのシステムはかなり満足です。
ただ、背景鑑賞と立ち絵鑑賞がないのが残念。まあ背景はそこまでほしいわけではないので、個人的には立ち絵鑑賞が欲しかったですかね。
演出は普通。
まとめ
ルートごとの作風の差がかなり大きく、プレイしていて違和感を感じる事はあるものの、どのルートもまあ出来は平均かそれ以上で、総評すれば80点くらいの作品だったと思います。
まあいろいろナナメ上な所もありましたが、概ね満足です。
アイドルルートも、別の作品だと割り切って読めばまあ十分な出来だったのではないでしょうか。
エロについては、5人ヒロインで一人四回づつと、わりと多め。
これは思っていたよりずっとよかった。
あとは、七波アフターのシナリオ次第で若干点数が上下するかもしれませんが、まあ現状はこんなところか。
七波アフター、楽しみにしています。