Alice:MadnessReturns【感想】

アリス・マッドネスリターンズの感想。
雰囲気はよかったと思う。
グラフィック
1世代前のグラフィックといった印象。
ただそこまで酷いわけではない。十分及第点。
でも今の時代にこれだとちょっと残念ではあるかなぁ・・・
音楽
全体的に雰囲気に合った音楽が用意されていたと思う。
基本的にクオリティは高めかなと。
戦闘
ターゲットロックのカメラワークがゴミ杉。
敵の数が多いと目的の相手にロックするまでが一苦労。
特にPCのマウス+キーボード環境でプレイしていると、キーボードのボタンの数が足りなくて苦労した(とても押しにくい)。
アリスの動きは俊敏で回避もボタン一つですぐできるので難易度的にはそんな高くないとは思うが、アクションゲームに慣れてない自分にはそれなりの難易度であったと思う。
特にラスボス戦はそれなりに大変だった。
そういった問題のせいで、かなりストレスがたまる戦闘だったことは間違いない。
敵のバリエーションは決して少ないわけではないんだが、同じ敵が何度も何度も出てくる上にボス的な存在が(最後を除いて)いないため中盤以降だれる。マジ作業。まあボスがいてもこの戦闘システムでは楽しめたとは思えないけれども。
ここからは完全に個人的な話なんだが、ロックオンというシステムが嫌い。
ロックオンすると動きにくくなるし、臨機応変にターゲットを切り替える事が難しくなる。(特にこのゲームでは)
やっぱり時代はノンタゲだよノンタゲ。
TPS風味の戦闘だったらもっと楽しめたと思う。ペッパーミルを含めてデフォルトだと遠距離武器の照準の合わせづらさが異常。
マウスでプレイしているのに、まるでゲームパッド(アナログスティック)で操作しているかのような感覚だった。
切りつけるモーションは綺麗で爽快感もあった。ターゲットを設定しない状態で敵を斬りつけてるときが一番面白かった。
レベルデザイン
もうちょっとなんとかなんなかったんかコレ。
悲惨なんてもんじゃない。
TPS、FPS、ただのアクションのおまけとして、所々にアクションが点在しているような内容なら、こんな感じでもいいのかもしれないけど、謎解きとかジャンプアクションがメインのこういうタイプのゲームで、最初から最後までほぼ同じ内容のジャンプアクションや謎を解かされ続けるとは流石に思わなかった。
開始1時間は最高に楽しいこと請け合い。
アリスの操作も(戦闘時以外は)特にストレスに感じることはないし、ダブルジャンプどころか3回くらいまで空中でもジャンプできる。滞空時間もかなり長い。
最初はアリスを動かしてるだけで楽しめていたのだが・・・
3時間ほどたつと流石にだれてくる。見た目は変わっていてもやっている事はまったく変わらないのだから。
5時間目くらいからはただただ苦痛でしかない。
広い空間に出ただけで「ああまたあの解き方だろ。はいはい。」といったように、簡単に進み方が判ってしまう。
後半になるにつれてジャンプアクションがシビアになるとかいったこともない。
というわけで後半はずっと作業をやってる感じになる。ぶっちゃけて言うとつまらない。
シークレットは、種類、量共にかなり多い。
・ビン →隠されているだけのシークレット。たぶんコレクター要素(?)
・記憶 →ストーリーに関連したシークレット。集めると少しだけストーリーが理解できるかもしれない。
・骨 →シークレット以外にもマップ上に大量に落ちている。これを集めることで武器のアップグレードができる。
・ラデュラルーム →ここでミニゲームをクリアすることによって、HPの上限を増やすことができる。
・豚鼻 →豚の鼻をペッパーミルで胡椒まみれにすると、骨をいくつかもらうことができる。たまにビンや記憶が見つかることも。
これらが合計で200箇所以上存在する。骨だけの部屋などを含めると250箇所は軽く超えるのではないかと思う。
それがプレイ時間平均10時間~15時間の間に存在するのだから、数歩歩けばシークレットに当たるような感覚。
いくらなんでも多すぎる。

ちなみに自分は1週でこれだけ集めたが、進むついでに目に入ったら獲得する・・・といった感じでやっていてもこれだけ集まったので、難易度的にはそんなに高くないかと。
少なくとも"何の変哲もない壁に向かって使用キーを押す"みたいな基地外じみたシークレットはないと思う。
まあ全て見つけたわけではないので何とも言えないが。
周回要素は一応、2週目には1週目に着たドレスがすべてアンロックされ、ドレスに合った特殊効果を得ることができたり、アイテム引継ぎでニューゲームができるようになっているみたいだけど、2週目やる気がおきる人間が一体何人いることやら。
ムービー
ゲーム内で紙芝居のようなムービーが流れる。総じて雰囲気が出ていてクオリティは高いが、3Dレンダリングのムービーに期待していた人には残念かもしれない。
環境(見た目)
最高だった。このゲーム最大にして唯一の長所。
スクショはSteamのストアページや自分で撮ったものから。
第1章『マッドハッターの領域』


序盤は、明るく緑溢れる神秘的な森の中を進む。
中盤~終盤にかけて、スチームパンクなお城の内部へ。
第2章『欺きの底』


最初は氷に閉ざされた土地。
中盤以降は水中に入り、劇場、街、クラゲの泳ぐ深海、亡霊の彷徨う墓場などを進みます。
第3章『東洋の森』


序盤の"破滅の谷"では、荒廃した世界を進みます。
中盤以降は東洋風の空間に入ります。エセアジアな感じが凄く印象的なMAPです。
第4章『クイーンズランド』


序盤は、空中に浮いたトランプを渡っていくようなステージです。
中盤以降は女王の住まう城へと侵入していきます。
第5章『ザ・ドールハウス』


序盤では人形の墓場のような土地を進みます。
中盤で暗いドールハウスの深部に侵入し、終盤にはまた序盤と同じ空間に戻ってきます。
こんな感じで、環境は目まぐるしく変化し、更に環境によって小道具やスイッチなどの類もすべてがらりと変わる凝り様。
このゲームの最大の長所です。
というわけで、感想まとめ。
雰囲気については文句の付けようがない。
最初から最後まで様々な環境が目まぐるしく変化し、どの環境も独特の世界観を持っていて、新しいマップに入るたびに感動する。
本当にすばらしいと思う。
しかしながら、ゲームとして見ると正直自分はそこまで楽しめなかった。
まず戦闘。
ナイフの切りつけ攻撃は爽快感があり面白いのだけど、どうも自分は、「決められた倒し方で倒す」というのが余り好きでは内容に思う。
つまり、「敵の攻撃をバリアで跳ね返して敵のシールドを剥ぎ、その後強攻撃で倒す」等の"この方法でしか敵を倒せないよー"というアクションゲームに良くあるアレである。
”敵の攻撃パターンを見切って倒す”とかは別にいいのだけれども、特定の攻撃方法でないとダメージが与えられないというのは無理。とてもじゃないが好きになれない。
最初の1戦は、倒し方が判るまでフルボッコにされるだけだし、2回目以降はそれはもうただの作業である。
その上上手くいかないと無駄にストレスがたまるし、ボス戦ならともかく雑魚戦でこれをやられるのだから、うまく倒したときに特に爽快感が得られるわけでもない。
結果、こういった戦闘方法はストレスのみが溜まっていって、微塵も面白さが感じられないのである。
ナイフ攻撃は派手で爽快感があるのだから、それで倒させろよ。と。
そういった理由もあって、このゲームの戦闘は好きになれなかった。
これが残念な部分一つ目。
次にレベルデザイン。
ただただ単調。
中盤に行くに従って、新しい仕掛けはまあ出てこない事も無い。まあ基本やっている事は同じだが。
まったく出てこないわけではないが、特にそれが面白いかと問われるとそうとは思えない。
大半がストレスの溜まるだけのもので、解いた爽快感など微塵も無い。
比べるのはおかしいかもしれないけれども、たとえばPortalシリーズの謎解きなんかは解いて先に進めたときの爽快感があった。
なるほど、という気分になった。
この作品のパズルは、特に新しいものがあるわけでもなく、昔から使い古された誰でも考え付くようなものが殆どで、本当に面白くない。
ジャンプアクションは序盤こそ面白いと思えるものの、流石に同じ事をずっとやらされるのは苦痛でしかなく、中盤以降はまったく楽しめない。
こういった飽きを和らげるために所々に用意されたミニゲームも、正直クオリティの高いものだとは思えなかった。
というか良くある横スクロールだったり、15パズル系のパズルだったり(自分は所謂15パズルが大の苦手であるせいで、ここで無駄に詰まってとても苦労した)、音げーの出来損ないみたいな物だったりとどこか安っぽい。
別にこんな中途半端なゲームするくらいだったらSteamにある大量の積みゲーを崩していたほうが有効な時間の使い方である。自分はワンダーランドを冒険したいのだ。
というわけで、この残念で仕方が無いレベルデザインが2つ目。
後は敵の種類が単調だというのも痛い。
新しい敵が中ボスのように登場したと思ったら、次の面ではそいつが"雑魚敵"として山のように出てくる。
敵の種類はそれなりだと思うが、前述の戦闘のつまらなさもあって本当に苦痛である。
ストーリーも微妙。決してそこまで悪いわけではないけれども・・・
あとシークレットがストーリーの鍵になっていたりして、全体像が判りづらいのも難点か。
というわけで自分がこのゲームに点数をつけるとしたら70点くらいを付けると思う。
ワンダーランドの風景は本当に良い物で、これは冒険するだけの価値がある。
しかしそれ以外の部分はとてもお粗末で、楽しむことができるような物ではない。